EXPERIENCE
蔵に息づく伝統と手仕事、醤油搾り体験
日本の食文化に欠かせない「醤油」。その製造には、大豆と小麦、塩を使い、長い時間をかけて発酵・熟成させるという、日本ならではの繊細な技術と手間が込められています。浜松市にある「明治屋醤油」は、明治8年創業の老舗醤油蔵。現在は6代目と弟さんが中心となり、自分たちの畑で大豆と小麦を育て、蔵でじっくりと仕込んでいます。原料づくりから仕込みまで、一貫して手がける、全国でもめずらしい醤油づくりです。そんな「明治屋醤油」では、自分の手で醤油を搾り、出来たての醤油でみたらし団子をつくって味わうという、特別な体験ができます。
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- 季節
- 通年
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- 日程
- 10:00~11:00 / 13:30~15:00 約90分
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- 人数
- 2~10名
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- 料金
- 基本:【火入れ体験なし】 3,740円/人 オプション:【火入れ体験あり】基本+3,300円=合計7,040円/人 【通訳付き】15,950円/人(1名のみの場合には24,200円)
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- コース
- ①醤油搾り体験のみ または ②醤油搾り・火入れ体験 ※火入れはオプションの為、要追加料金
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- 住所
- 明治屋醤油株式会社:〒434-0042 静岡県浜松市浜名区小松2276
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- アクセス
- 遠州鉄道「遠州小松駅」から徒歩10分
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- 連絡先
- 【体験内容についてのご連絡】明治屋醤油株式会社:053-586-2053
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- その他
- 【予約システムに関するお問合せ】(公財)浜松・浜名湖ツーリズムビューロー:053-458-0011 (平日のみ9:00~18:00)
※日曜祝日および時間外は[予約申込はこちら]→[このプランに問い合わせる]からフォームへ入力をお願いします。
【通訳について】
通常プランは日本語のみで説明するものです。
日本語でのコミュニケーションが困難な方には、より深く醤油作りや日本の食文化について英語もしくは中国語通訳と共にお伝えする特別プランをお申し込みください。
【注意事項】
・醤油作りに欠かせない麹菌を守るため、当日朝は納豆を食べないでください。
・体験でできた醤油はお持ち帰りいただけます。火入れ体験なしの場合は、クーラーバッグなど冷所でのお持ち帰りをお勧めしています。
・オプションの「火入れ体験」をすると常温でのお持ち帰りが可能です。火入れ体験のお客様には、明治屋醤油オリジナル手ぬぐいを一枚プレゼントします。
・小学1年生未満の方が参加の場合は保護者同伴でお願いします。
・日曜祝日をご希望の場合は、要相談(1週間前まで)となります。
伝統と自然が織りなす、醤油づくりの原風景
浜松駅から車で約30分。「明治屋醤油」は、今も昔ながらの木造の蔵で、丁寧な醤油づくりを続けています。
細い路地の先に現れる、黒板塀の建物。引き戸をくぐると、杉の香りとこうじの甘い香りがふわりと鼻をくすぐります。柱も梁も、使い込まれた道具たちも、そこに佇むだけで、長い時間が静かに流れてきたことを感じさせます。
どこか懐かしいのに、新しい。時代が移り変わっても、人の手仕事を大切にし、浜松の自然とともに醤油を育んできた想いが、今もそっとこの場所に息づいています。
100年以上、地域とともに
明治屋醤油のはじまりは、明治8年。初代・萬吉さんが立ち上げ、3代目・里平さんは戦後の混乱期を乗り越え、「高嶺ソース」や「やままん醤油」などを手がけました。
明治屋醤油の醤油づくりの大きな特徴は、「もろみ」を自分たちの手で仕込み、1年半から3年もの時間をかけてじっくり熟成させる「天然醸造」にこだわっていること。
自然の力にゆだねて、ゆっくりと時間をかけることで、素材の旨味や香りを引き出していきます。
「静岡県内にある20数社の醤油蔵のうち、自社でもろみを仕込んでいるのは、今では7〜8社くらいしかないんです。手間もかかるし、廃棄物も出るので大変なのですが、うちは代々、手づくりにこだわってきました」と話すのは、6代目の野末さん。
大豆も小麦も、自分たちの手で
さらに、もうひとつのこだわりが、原材料の大豆と小麦を自分たちで育てていること。実は、60年ほど前まで自社で原料を栽培していた歴史があり、平成5(1993)年に4代目・政成さんが「政成自然農園」を立ち上げて再開。
無農薬・無化学肥料にこだわった畑で、原料づくりから醤油づくりまで、すべての工程を自分たちの手で行うスタイルを築いてきました。
現在、その畑は5カ所に増え、6代目の弟さんが栽培を担当。三頭のヤギたちが草取りを手伝い、鳩との知恵比べも日常の一コマ。畑から醤油蔵まで、家族で営まれるこの姿は、今では全国的にも貴重な存在です。
明治屋醤油が長い歴史の中で変わらず守り続けているのは、「地元の人々の台所に寄り添い、地元の素材と手仕事で醤油をつくる」という姿勢です。現在も大量生産や通販は行わず、スーパーマーケットへの卸売もせずに、蔵を訪れる方に直接手渡すことを何より大切にしています。
大豆と麹、そして時が育んだもの
天井には梁がめぐり、差し込むやわらかな光が、蔵の奥へと道をつくります。並ぶ桶のそばには、試行錯誤の末に生まれ、あるいは使われずに残された道具たちがひっそりと佇み、代々の職人たちの工夫と葛藤の時間を物語っています。
搾りたての一滴に感動
体験では、6代目のレクチャーを受けながら、自らの手で「もろみ」を布袋に入れ、昔ながらの方法で少しずつ圧をかけていきます。静かににじみ出てくるのは、まさに「生まれたて」の醤油。
一滴一滴が愛おしく感じられるのは、自分の手で搾ったからこそ。その香りの豊かさとまろやかさに、思わず驚くはずです。
自分で搾った醤油を瓶に詰めて、お土産に手書きのラベルを書き入れれば、世界に一つの特別な一本が完成です。
搾りたての醤油を、みたらしのたれに
そしてこの体験のもうひとつの醍醐味が、「みたらしだんご作り」。じっくり焼き上げた団子に、さきほど搾ったばかりの醤油でつくったタレをとろりと絡めれば、口の中に広がるのは、香ばしさとほんのりした甘さ、そして深い旨み。
五感で感じる「しあわせ」が、ここにはあります。
明治屋醤油の体験内容は、小さなお子さんから大人まで、どなたでも参加可能です。
日々、当たり前のように食卓にある「醤油」という存在が、今日から少しだけ特別に思える。そんな気づきを与えてくれる、静かで豊かな時間です。
体験内容
体験は約1時間半。最初に、醤油の歴史や「もろみ」についてのお話を聞いた後、昔ながらの木造の蔵の中へ。熟成中のもろみや、代々使われてきた道具を間近で見学できます。
そのあとは、いよいよ醤油搾り。もろみを布袋に詰めて専用の機械で搾り、醤油を瓶詰め。ラベルを貼って、自分だけの一本が完成します。
最後は、みたらし団子づくり。搾りたての醤油とみりん、砂糖でタレをつくり、焼いた団子にたっぷりつけていただきます。自分で搾った醤油で食べる団子の味は、格別です。
- 体験は醤油の基礎知識を学ぶところから始まります
- 昔と今でどれほど使われ方が違うのか、わかりやすく解説
- その後は、いよいよ蔵の中へ
- もろみを混ぜている様子を見学できます
- 醤油搾りの工程へ
- もろみを布袋に詰めます
- 専用の搾り機でゆっくりと圧をかけていきます
- 醤油が一滴ずつ流れ出す瞬間は、思わず見入ってしまいます
- 搾った醤油を瓶詰め
- ラベルを貼ってマイ醤油の完成
- 最後は、お楽しみのみたらし団子づくり
- タレを作り、アルコールランプでじっくり加熱
- テーブルサイズの醤油やソースなどの商品ラインナップ充実
- 木造の蔵が風情漂います
ガイド紹介
明治屋醤油株式会社 6代目 野末 将平さん
大学卒業後は飲食業界に就職し別の道を歩んでいましたが、退職後に実家へ戻り、父のすすめで蔵の現場に立ったことをきっかけに、伝統ある醤油づくりの世界に入ることに。現在は6代目として、長く受け継がれてきた製法を守りながら「おいしい」を支える安心・安全なものづくりと、蔵の魅力を地域や次世代へ伝える取り組みを展開。蔵見学や体験型のワークショップ「もう少し知ろう!醤油しぼり・味噌づくり体験」などを企画し、開かれた蔵づくりに力を注いでいます。
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