やらまいかツーリズム

EXPERIENCE

Culture

1200年前の古代料理「万葉食」を心・身体で味わう

浜松市浜名区にある「万葉の森公園」は、万葉集ゆかりの文学と自然が息づく場所。園内には約300種もの万葉植物が彩り、四季折々の草木が静かに佇みます。足を踏み入れると、自然と気持ちがゆるむような、穏やかな時間が流れます。
園内の「万葉亭」では、約1200年前の人々の暮らしや味覚を、古代料理「万葉食」を通して体験できます。食体験に加え、万葉衣装の着付けや庭園散策も楽しめ、目に、耳に、舌に、五感すべてで楽しむひとときを過ごすことができます。日常から少し離れ、古(いにしえ)の香りをたどる、小さな旅のはじまりです。

  • 季節
    通年 
  • 日程
    毎月指定日
  • 人数
    4名~10名
  • 料金
    3,000円/名
  • コース
    10:00集合 ~ 体験約90分間(お食事・散策時間除く)~ 13:00に衣装を返却して終了
  • 住所
    万葉の森公園内「万葉亭」:静岡県浜松市浜名区平口5051-1
  • アクセス
    東名高速道路 三方原スマートICから車で約15分、遠州鉄道 小松駅または浜北駅下車後タクシーで約10分
  • 連絡先
    【体験内容についてのご連絡】浜北万葉食研究会 月草の会(担当:野中):053-586-8700
  • その他
    【予約システムに関するお問合せ】(公財)浜松・浜名湖ツーリズムビューロー:053-458-0011 (平日のみ9:00~18:00)
    ※日曜祝日および時間外は[予約申込はこちら]→[このプランに問い合わせる]からフォームへ入力をお願いします。

    【注意事項】本体験は日本語のみでのご案内となります。
    ・料理体験がありますので、エプロンと、三角巾またはバンダナなど髪をまとめるものをご用意ください。

 

 

 

古代の食を再現する「万葉食」

 

浜松市浜名区のなだらかな丘陵に広がる「万葉の森公園」。四季折々の草木や万葉歌碑が点在する静かな園内には、古代の気配をそっと感じさせる、穏やかな時間が流れています。園内の「万葉亭」では、そんな自然の恵みや古代の知恵を体感できる、万葉食のひとときを楽しむことができます。

 

 

日本最古の歌集『万葉集』には、植物や動物、自然への賛美が数多く詠まれています。登場する植物は約330種、動物は約70種で、そのうち現代でも食材として親しまれているものは約130種にのぼります。

 

こうした歌には、人々の暮らしや食をうかがわせる記述も多く見られ、これらの記録をもとに再現されたのが「万葉食」です。

 

 

 

手を動かし、古代の知恵を味わう

 

体験の始まりは、古代のチーズといわれる「蘇(そ)」づくりから。浜松市産の牛乳を厚手の鍋に入れ、弱火でゆっくりとかき混ぜながら煮詰めていきます。

 

かき混ぜるうちに、乳の香りがやさしく立ちのぼり、古代の人々もこうして火を囲みながら暮らしていたのだろうと想像が広がります。

 

 

続いては「唐菓子(とうがし)」という、当時の素朴な揚げ菓子づくり。小麦粉と少量の砂糖を練り、油でじっくりと揚げていきます。焦げないよう見守る時間もまた楽しく、きつね色に染まった菓子を口にすれば、香ばしさの奥にほんのりとした甘みを感じます。

 

 

「月草の会」が紡ぐ、万葉食への想い

 

この万葉食を研究・提供しているのが、「月草の会」二代目会長の野中正子さんとスタッフの方々です。1992年の公園開園をきっかけに地元の女性有志とともに活動を始め、以来三十年以上、万葉集の歌や文献をもとに古代の味を探り続けています。

 

「植物は待ってくれないんです」と野中さんは微笑みます。「旬を逃すと、その年はもう作れません。だからこそ、この土地で今、この季節にしか味わえないものを大切にしたいんです」。

 

 

野中さんの言葉を思い浮かべながら園内を歩くと、摘まれる野草や木の実が、今この季節だけの小さな恵みとして目に映ります。

 

以前、東京のホテルで開催してほしいと依頼されたこともあったそうですが、野中さんは首を横に振りました。「この味は、この場所でしか完成しないんです」。

 

その言葉には、季節や自然の移ろいに寄り添い、この場所ならではの味わいを大切にする、静かで揺るがない信念が込められています。

 

万葉衣装の着付けで古代の装いを体感

 

調理を終えた後は、色とりどりの万葉衣装から好きな一着を選び、着付けを体験します。鮮やかな色彩や繊細な文様の衣装は、それぞれに個性があり、選ぶ段階から気持ちが弾みます。

 

 

髪型やメイクは含まれませんが、洋服の上から羽織るだけで、体が軽やかに包まれ、非日常の時間を楽しめます。

 

 

素朴にして奥深い、古代の膳

 

体験の締めくくりには、貴族の万葉食「秋の膳」をいただきます。テーブルに並ぶのは、フユアオイやマコモダケ、ジュンサイ、くるみなど、この地の自然が育んだ食材たち。

 

 

春には若菜の香り、夏には清らかな水辺の恵み、秋には木の実の香ばしさが添えられ、季節ごとに膳の表情が変わります。

 

カヤの実は一週間ほど灰汁に浸し、乾燥させてから炒ると、アーモンドのような香ばしさに。手間のかかる工程ひとつひとつに、自然と共に暮らす当時の人々の知恵が息づいています。

 

 

一見すると質素に見える膳ですが、噛むほどに素材の滋味が広がり、身体の奥までやさしく染み渡ります。自分たちで作った蘇や唐菓子を味わう喜びも、また格別です。食べ終えるころには、心の中に静かな時間がそっと訪れます。

 

 

万葉の風景に身をゆだねて

 

食後は、古代の貴族が曲水の宴を催した「曲水池」や、法隆寺の夢殿を模した「曲水亭」を中心とした庭園をゆっくり散策。風にそよぐ木々の音や、池に映る光、万葉歌の石碑に刻まれた文字に目を留めながら、静かな時間を過ごせます。

 

 

万葉衣装に身を包み、園内を歩くと、まるで万葉の貴人になったかのような心地に。現代の装いでは感じられない、時を越えた静かな体験が、心にそっと残ります。

 

 

 

体験内容

 

体験は約2時間。まずは万葉食の調理からスタート。蘇や唐菓子などの古代料理を、野中さんやスタッフの指導のもとで作ります。火加減や道具の扱い方、食材の特徴を学びながら手を動かす時間は、香りや色、手触りを感じる五感の学びのひとときです。

 

調理を楽しんだ後は、色とりどりの万葉衣装から好きな一着を選び、着付け体験。鮮やかな布や繊細な文様に身を包むと、まるで古代の貴族になったかのような気分が味わえます。

 

衣装を整えたら、膳を囲む時間です。園内や地元の山で採れた野草や木の実を使い、化学調味料や砂糖を控えた古代の味わいを、香りや彩りとともにゆっくり味わえます。

 

食後は、公園内の曲水庭園を自由に散策。万葉衣装を身にまとい、庭園を歩いたり記念撮影をしたりしながら、五感で非日常の空気を感じられます。

 

 

🌸2026年3月〜6月指定日開催 「浜名湖花フェスタ2026」期間中は、調理体験を「花餅(よもぎ餅)づくり」に変更し、万葉食も花フェスタ仕様で提供します🌸

 

 

ガイド紹介

 

浜北万葉食研究会 月草の会 会長 野中 正子さん

 

1992年「万葉の森公園」が開園したことを契機に、地元女性の有志と翌年「月草の会」を結成。万葉集に詠まれたこの地域ゆかりの歌や食材に着目し、古代の食文化を再現する活動を始めました。2005年には同会の2代目会長に就任。園内に自生する野草や地域の食材を使い、古来の料理を作り提供するほか、食材の採取や栽培、万葉食体験の指導まで幅広く手がけています。

 

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