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浜松で「本物に出会う」合氣道体験

日常の合間に、ふと自分を見つめ直したくなることがあります。浜松市合氣道協会「正風会」が提供する合氣道体験は、そんなときにぴったりの、心と体を静かに整える時間。思いがけない場所に感じるかもしれませんが、一歩足を踏み入れれば、その奥深さと温かさに、きっと心がほどけていくはずです。

  • 季節
    通年
  • 日程
    毎週木曜日(祝祭日は除く) 午前11時~13時
  • 人数
    1〜10名
  • 料金
    3,000円/名  ※保護者が体験する場合のみ幼児の同行は無料、幼児のみの参加は不可
  • コース
    120分
  • 住所
    浜松市武道館:浜松市中央区西浅田二丁目3-1
  • アクセス
    JR浜松駅から遠鉄バス「武道館」下車、徒歩3分
  • 連絡先
    【体験内容についてのご連絡】 浜松市合氣道協会 電話:090-2686-7539(担当:菅沼)
  • その他
    【予約システムに関するお問合せ】(公財)浜松・浜名湖ツーリズムビューロー:053-458-0011 (平日のみ9:00~18:00)
    ※日曜祝日および時間外は[予約申込はこちら]→[このプランに問い合わせる]からフォームへ入力をお願いします。

    【注意事項】
    ・合氣道衣などの貸し出しはありませんので、運動や柔軟がしやすい服装でお越しください。
    ・水分補給のための飲み物をご持参ください。
    ・本体験は日本語のみでのご案内となります。

 

 

日常をそっと離れて、静けさに出会う

 

浜松市武道館を中心に五つの道場、そこでは本格的な合氣道の世界が広がっています。合氣道は力を合理的に使い、相手を制しながら、しなやかに動く武道。勝ち負けにとらわれることなく、心の在り方や姿勢そのものを大切にするため、大人が学ぶにふさわしい品格が漂います。

 

日常の喧騒からそっと離れ、心がほどけてゆくような穏やかな時間が流れる場所。ここではただ技を学ぶだけでなく、内面と向き合う貴重なひとときを過ごせます。

 

 

呼吸と調和で心を整える、「静けさ」の武道

 

もともと合氣道は、日本古来の柔術や剣術などをもとに生まれた武道で、長い年月をかけて磨かれてきました。武術から武道へと、その精神性は人としての在り様を体現しています。相手の力に力で対抗するのではなく、受け流し、制する。無駄な力を抜いて、自然に、円を描くように動くのが特徴です。

 

「しなやかに、なめらかに」この感覚は、体験を通じてこそ実感できるもの。まず体験では、礼に始まり、90年の歴史を持つ健康体操「真向法(まっこうほう)※1」で全身をほぐすところから始まります。たった4つの動きで背骨や股関節をゆるやかに伸ばす真向法は、「日本のヨガ」とも呼ばれ、呼吸を整えながら心も静まっていきます。未経験者でも安心して取り組める内容で、身体を目覚めさせながら、合氣道の基本動作へと自然につなげていきます。

※1 公益社団法人真向法協会 公式ホームページ https://makkoho.or.jp

 

 

 

 

15歳の出会いが、今につながる

 

この体験を指導するのは、浜松市合氣道協会会長であり、国際武道正風会副会長を務める杉山正(すぎやままさし)師範。世界に4人しかいない〝望月稔合氣道″の正統継承者の一人です。静岡市内で生まれ育った杉山師範が合氣道に出会ったのは1962年、東京オリンピックの2年前。当時15歳の杉山師範の自宅近隣に望月稔先生の武道場「武道養正館 岳南塾」が移転してくることになりました。

 

当時の杉山師範は、卓球部で連日厳しい練習を受けていた最中。水を飲むことすら許されない時代の指導法に、「楽しい」とはとても思えなかったそうです。それでも、「始めたことは途中で投げ出さない」という強い思いから、やめることなく続けていました。

 

そんな日々の中で出会った合氣道は、厳しさの中にやさしさがあり、懐の深い武道でした。何より、人生の師ともいうべき望月稔先生の人柄に惹かれたといいます。「人としての成長を教えてくれる場所だった」と、当時を振り返る杉山師範。稽古がしたくてたまらなかった、一度もやめようとは思わなかった、というのだから、武道への想い、望月先生への信頼の強さが伝わってきます。

 

 

 

受け継がれる「心」と「技」

 

杉山師範の武道の道はその後、より本格的なものとなっていきます。杉山師範が直接学んだのは、昭和6年に静岡で道場「武道養正館」を開いた伝説の武道家・望月稔(もちづきみのる)先生。

 

望月稔先生について
講道館柔道創始者:嘉納治五郎先生の直弟子であり、講道館柔道十段名人:三船久三先生の内弟子として柔道の修行を続けられていました。
講道館での修行中、嘉納治五郎先生から直接の命を受け、合氣道創始者:植芝盛平先生の門をたたくことになります。こうして、植芝盛平先生の門人として合氣道の修行が始まることとなります。植芝盛平先生の元で合氣道を極めるのと同時に、植芝盛平先生から絶大な信頼を得ることとなります。望月稔先生は、植芝道場にて、内弟子門人頭として道場を支える一人となりました。
また、講道館古武道研究会の時代より香取神道流剣術をはじめ、空手・杖術など多流派を極めた達人で、その実力は国内外に広く知られていました。ヨーロッパを始め、多くの国々に武道の普及をされた先駆者の一人です。
更に、江戸時代に佐々木五郎衛門が開いた柔術:玉心流の中興の祖としても知られています。

 

杉山師範は、その望月先生から奥伝免許を授かり、望月稔合氣道の正統承継者として認定された、数少ない直弟子のひとりです。そしていま、杉山師範は浜松に道場を構え、その確かな技術と精神性を次世代へと伝え続けています。

 

 

 

道場に集う、さまざまな「想い」

 

浜松市合氣道協会「正風会」には、10年以上稽古を続けている門人が数多くいます。県内外から稽古に通ってくる門人も少なくありません。「好きなことに、場所は関係ない」。そう語る杉山師範のもとには、年齢も職業も異なる人々が集い、互いに学び合いながら、それぞれのペースで稽古に取り組んでいます。

 

また、合氣道体験を通して触れるのは、合氣道の技だけではありません。「精力善用・自他共栄」の精神に基づき、人としての生き方をも学ぶ場でもあります。この言葉には、自他共栄のため精力を善用する、という武道の精神が込められています。人と向き合い、社会と調和して生きる現代人にこそ必要な「学ぶべき道」です。

 

かつて少年時代の杉山師範が「武道養正館」と出会ったように、合氣道を始める理由は人それぞれです。健康のため、ダイエットのため、あるいは心を落ち着けたいなど、どんなきっかけでも構いません。しかし、続けるうちに誰もが稽古を通じ自然と、本気で合氣道と向き合うようになるのです。正風会の雰囲気はどこか大人の寺子屋のよう。技術だけではなく、人としてどうあるか、日々の在り方そのものを静かに見つめ直す空間なのです。

 

 

浜松で「自分と出会う」特別な時間を

 

体験は初めての方でも安心して参加できます。杉山師範をはじめ、熟練の門人から優しく丁寧な指導が受けられるので、武道初心者や女性、年配の方にもおすすめです。非日常の静かな空間で、ほんの少し自分の呼吸に耳を澄ませる時間。合氣道体験は、心と体を静かに整え、「自分らしさ」をそっと取り戻すひとときとなるでしょう。

 

体験内容

 

合氣道体験は、普段道場に通う門人とともに行います。服装は特に指定はなく、動きやすいものであれば問題ありません。礼に始まり、真向法体操を重視した準備運動からスタート。呼吸を意識しながら、ゆっくり体をほぐしていきます。

 

続いて杉山師範の指導のもと、基本の動きを練習。相手の力を受け止めず、流すように動く。合氣道ならではの動きを学びます。未経験者でも、繰り返すうちに、力ではなく、合氣道の理合いである独特の感覚に気づいていきます。その不思議な感覚に、参加者はいつの間にか真剣な表情に。

 

最後の礼のあと、道場に訪れるのは静かな余韻。体を動かしたあとの穏やかな時間の中で、ふと笑みを浮かべる参加者の姿が印象的です。

 

 

 

 

 

 

ガイド紹介

 

国際武道正風会副会長 兼 浜松支部長  浜松市合氣道協会主宰

合気道(正風会)九段、日本傳柔術(正風会)九段、香取神道流居合道(養正館)五段、柔道(講道館)初段

杉山 正 師範

 

 

静岡市出身。高校時代に地元の養正館へ入門して以来、長年にわたり合氣道の研鑽を重ねてきました。現在は浜松市武道館を拠点に、指導と稽古に日々取り組んでおり、技の深さはもちろんのこと、穏やかで丁寧な指導は、多くの門人にとって大きな学びとなっています。ときにユーモアも交えながら、初心者から経験者まで幅広く信頼を集めています。また、台湾での海外講習も行うなど、国内外を問わず合氣道の普及に尽力しています。

 

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