EXPERIENCE
自動車の原点、織機が生まれたまち湖西 ―― 歴史と着物をまとうひととき
静岡県湖西(こさい)市の「ななほう」で体験できるのは、少し特別な着物の時間。
湖西市に生まれた発明家が1915年に生み出したY式織機 ―― その織機で織られた着物を身にまとうことができます。
湖西ならではの歴史と、ものづくりの精神にふれながら、着付けをしてもらい、自分だけの装いを完成させます。
色や柄、帯の結び方ひとつで、季節や気持ちを映し出し、所作までも自然に美しく整う着物。
100年以上の時を織りなしてきた織機の歴史をまとうひととき。いまココでしか出会えない特別な体験を、心ゆくまでお楽しみください。
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- 季節
- 10月~4月
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- 日程
- 毎週火・木曜日 午前10時~(約120分)
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- 人数
- 1~4名(女性用お着物3着、男性用お着物1着のご用意があります)
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- 料金
- 基本料金(着物お貸出しと着付け有)16,500円/人、 付き添いの方(着物お貸出しと着付け無)3,300円/人、 オプション【掛け軸体験】+8,800円/人
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- コース
- 対象:お着物は身長150cm以上の方
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- 住所
- 株式会社 ななほう:静岡県湖西市鷲津5001
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- アクセス
- JR鷲津駅から徒歩0分、駐車場1台あり または近隣有料パーキング使用(鷲津駅前パーキング、鷲津駅北駐車場)
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- 連絡先
- 【体験内容についてのご連絡】株式会社ななほう:080ー6920ー8597(担当:刑部)
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- その他
- 【予約システムに関するお問合せ】(公財)浜松・浜名湖ツーリズムビューロー:053-458-0011 (平日のみ9:00~18:00)
※日曜祝日および時間外は[予約申込はこちら]→[このプランに問い合わせる]からフォームへ入力をお願いします。
◾️体験内容
基本料金に含まれるもの
(1)豊田佐吉氏のY式織機で織られた着物の歴史と文化を解説
(2)久留米絣のお着物一式1日お貸出し(当日中営業時間内に返却)および着付け
(3)地元のお菓子とお抹茶でひと休み
以下、オプション
◉湖西市内の歴史ある施設をガイドとともに巡る(追加料金なし)
◉「湖西着物パスポート」掲載の飲食店へのご案内(飲食代金は別途体験者でご負担ください)
◉【想いを言葉に掛軸体験】佐吉翁の発明で織り上げられた生地を使って作られた掛軸です。自分が大切にしている言葉を書くワークショップです。(+8,800円/人)
【注意事項】
・髪型のセットやカメラマンは体験に含まれません。髪型のセットを希望する方はご自分で行っていただくか、事前にお済ませの上でお越しください。
・2名以上で着物の着付けを体験する場合、お着物は女性用3着、男性用1着をご用意しております。
・体験に通訳は付きません。
自動車の原点となる「織機」が生まれたまち、静岡県湖西市
静岡県湖西市は、日本で最初の動力織機(豊田式木製人力織機)の発明者であり、トヨタグループの礎を築いた豊田佐吉(1867–1930)氏の生誕地です。
佐吉氏は少年時代、休みなく夜遅くまで手織機で布を織る母の姿を見て、動力織機の発明を志すようになりました。
『衣食住はどれも大切なものである。布を織る仕事も決してゆるがせにはできない。しかし、今のような仕事のやり方ではいつかきっと困るときが来る。だから織機をもっと進歩させなくてはならないのだ』
独学で工夫を重ねた佐吉氏は、1890年に日本初の木製人力織機を発明し、さらに1915年には豊田式鉄製小幅動力織機(通称:Y式織機)を開発。この技術と精神はモノづくりの原点となり、後のトヨタグループの自動車産業にも活かされました。
Y式織機は100年以上たった今も、福岡県・久留米地域で部品の補修やメンテナンスを重ねながら「久留米絣(くるめかすり)」の生産に現役で使用されています。
この織機で織られた久留米絣のお着物を、動力織機が生まれた湖西の地で身にまとう特別な体験として、あなたにお届けします。
(※一部引用:浜松・浜名湖だいすきネット)

湖西の街角で、着物と向き合う時間
鷲津駅から歩いてすぐ、静かな街角に「ななほう」はあります。
駅を降りると、かわいらしい看板が目に入り、扉を開けると柔らかな光が差し込む店内で、代表の刑部(おさかべ)さんが迎えてくれます。
ここから、日常を忘れ、自分と向き合う体験が始まります。
祖母の思い出から広がる、地元の織機
湖西市出身の刑部さんが着物の世界に惹かれたのは、実は社会人になってから。地元の自動車メーカーに勤め、外国人が集うお店で働いたことがきっかけでした。
そこで出会った人々は、日本の歴史や文化を深く理解し、自分よりも日本を語れる存在だったといいます。
「自分には何を語れるのだろう」と考えたときに思い浮かんだのが、幼い頃祖母に着せてもらった着物の記憶でした。着付けを学び、海外の友人に浴衣を着せてあげると、想像以上に喜んでくれた体験が「着物には人を幸せにする力がある」と気づかせてくれました。
その後、浜松や久留米の呉服店で経験を積み、久留米では地元の偉人・豊田佐吉翁が生んだ織機と、その織機で織られた「久留米絣(くるめかすり)」に出会います。
福岡県で生まれた200年以上の歴史をもつ伝統的な織物です。糸を先に染めてから織る「先染め」の技法により、かすれ模様のようなやさしい柄が生まれるのが特徴。肌ざわりは柔らかく、着るほどに体になじみ、丈夫で長持ちします。落ち着いた風合いと素朴な美しさを併せ持ち、他の生地にはない魅力があります。

地元・湖西のものづくりが遠く離れた場所でも受け継がれていることに感動し、「湖西の文化を自分の手で伝えたい」と思い「ななほう」を設立しました。
現在は「ななほう」で体験型の着付けを行うほか、七五三や振袖など、家族の節目を迎えるときに着付けのお手伝いもしています。
一服のお茶と、ゆったりと流れる時間
体験はお茶の提供からスタート。ほっと一息つきながら、当日のスケジュールや織機で織られた着物の背景といったお話しを聞きます。
お茶の香りが心を落ち着かせ、これから始まる特別な時間への期待が高まります。

手仕事と歴史が紡ぐ、久留米絣の世界
お茶でひと息ついた後は、久留米絣の世界へ。目の前に広がる布は、織機で丁寧に織られたものです。
糸の段階で染め分けられ、織ることで独特のぼかし模様が生まれます。
職人の手仕事や技術の説明を聞きながら、その布に込められた歴史や想いに触れると、ただの布が一つの物語を語り始めるかのようです。
指先で触れ、目で追いながら、久留米絣の奥深さと美しさに自然と心が引き込まれていきます。

着物とともに、しなやかな動きを楽しむ
そして、いよいよ着付け。着物に袖を通した瞬間、軽やかでしなやかな布の感触が肌に触れ、自然と背筋が伸びます。
帯を締めるときには刑部さんの丁寧な手ほどきに従いながら、自分の動きや呼吸に意識を集中。


小物や帯揚げを使ってコーディネートを完成させると、自分だけの装いに思わず笑みがこぼれます。
初心者でも安心して取り組めるのは、刑部さんの温かく的確なサポートがあるからです。
着付けを終えたら、地元のお菓子とお抹茶でひと息。
豊田佐吉翁の発明や織機の歴史に思いを馳せながら味わうお茶は、普段の時間とは違う、静かで特別なひとときです。

街の文化に触れながら、特別な体験を
着物のまま豊田佐吉記念館や本興寺など、湖西の歴史スポットを巡ることも可能です。
着物を着る体験とともに、街の文化や歴史に触れることで、心の奥まで深く残る旅の記憶が作られます。

着物に袖を通すことで得られるのは、見た目の美しさだけでなく、自分自身を見つめ直す時間。
五感で布の感触を味わい、目で色や柄を楽しみ、心で歴史や文化を感じる。
湖西の街並みと共に過ごす、このひとときは、日常では味わえない心豊かな体験となるでしょう。
体験内容
体験は約3時間。最初にお茶をいただきながら、織機で織られた着物の背景や体験の流れについて説明を受けます。
続いて、着付け体験へ。刑部さんの丁寧なサポートのもと、織機で織られた着物を身にまとい、帯や小物を使って自分だけのコーディネートを完成させます。普段の自分とは違う姿に、背筋が自然と伸びていくのを感じられます。
着物姿が整ったら、地元のお菓子とお抹茶でひと休み。湖西の風土を感じながら、ゆったりと和の時間を味わえます。
その後は、刑部さんのガイドで豊田佐吉記念館や本興寺など、湖西の歴史スポットを巡ることもできます(追加料金なし)
さらに希望者は「湖西着物パスポート」に掲載されたお店などを巡ることも可能です(飲食代実費)。着物姿で街を歩くことで、歴史や文化により深く触れ、体験の余韻を楽しめます。
浴衣や着物で立ち寄ってほしい湖西市内の素敵なお店を紹介しています。着物をまとうことで、お店の人との会話が生まれたり、いつもの風景が少し違って見え、大切な人との時間も、より豊かに感じられるはずです。着物姿で訪れたあなたに、きっと笑顔が待っています。
★オプション【想いを言葉に掛軸体験】( 追加8,800円/人 ※要事前予約。お申し込み時にオプションをお選びください※)
佐吉翁の発明で織り上げられた生地を使って作られた掛軸です。自分が大切にしている言葉を書くワークショップです。
★現地販売(事前予約不要)
・いまココさきちさんハンカチ 1,500円
・佐吉さん体験バッチ 550円
- 体験はお茶の時間からスタート
- 織機で織られた着物の歴史と文化を解説
- お気に入りを見つけるのも体験のひとつ
- 一人ひとりに合わせて丁寧に着付け
- 伝統と今が重なる、一期一会の装い
- 小物を合わせて、自分だけのコーディネートに
- 装いが整うと心まで凛とします
- 店内では蚕を育て、絹が生まれる瞬間も
- 地元のお菓子とお抹茶をいただく時間
- 湖西の風土を味わいます
- 着物姿のまま、歴史スポットへ
- 街並みに溶け込む特別なひとときです
- 着物から身近なハンカチまで販売
- 落ち着いた雰囲気の店内で心地よく着物体験
ガイド紹介
株式会社 ななほう 代表取締役 刑部優美帆さん

湖西市出身。幼少期に祖母から着せてもらった着物の思い出をきっかけに、社会人を経て着付けを学ぶように。浜松や久留米の呉服店で修業を重ね、久留米で豊田佐吉が生んだ織機に出会ったことを契機に、地元・湖西の文化を伝える場として「ななほう」を設立。心や身体の調和、地域の歴史、先人の精神に触れられる着物体験を提供しています。さらに子ども向け着付け教室やワークショップ、地域連携プロジェクト「湖西着物パスポート」なども展開し、湖西の魅力を発信する拠点として活動しています。
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