やらまいかツーリズム

EXPERIENCE

Culture

浜松の茶匠に学ぶ、伝統の茶手揉み体験。 一枚の茶葉が、お茶になるまで

古くからお茶づくりが盛んな浜松市。温暖な気候に恵まれたこの地域では、山間地から平地まで、それぞれの土地の特徴を生かした個性豊かなお茶が育まれています。そんな浜松ならではの体験として楽しめるのが、「やますえ製茶」が開催する茶手揉み体験です。蒸した茶葉を手で揉み、乾燥させながら少しずつ仕上げていく「茶手揉み」は、昔ながらの製茶方法のひとつ。香りや手触り、茶葉の形が変化していく様子を五感で感じながら、一枚の茶葉がお茶へと生まれ変わる過程を体感できる、お茶どころ浜松ならではの文化体験です。

  • 季節
    通年
  • 日程
    8、9月の予約受付中 ※2か月前に予約開始
  • 人数
    1名~20名
  • 料金
    【体験コース】2時間 5,000円/名、【本格コース】4時間10,000円/名→いまだけ体験料金より観光キャンペーンの地域クーポン適用で【体験コース】2時間 4,000円/名、【本格コース】4時間9,000円/名
  • 住所
    やますえ製茶(浜松市中央区大平台1-18-5)
  • 連絡先
    <体験内容に関するお問い合わせ> やますえ製茶 053-488-5419
  • その他
    【予約システムに関するお問合せ】(公財)浜松・浜名湖ツーリズムビューロー:053-458-0011 (平日のみ9:00~18:00)
    ※日曜祝日および時間外は[予約申込はこちら]→[このプランに問い合わせる]からフォームへ入力をお願いします。

 

 

 

 

茶葉を手で揉み、お茶づくりの原点を学ぶ

 

浜松市中央区大平台にある「やますえ製茶」は、市街地からほど近い場所にありながら、周囲にはのどかな茶畑が広がり、ゆったりとした時間が流れています。

 

茶手揉み茶とは、蒸した茶葉を焙炉(ほいろ)の熱で乾燥させながら、手で揉み上げて仕上げる伝統的な製茶方法です。現在では機械製茶が主流ですが、手揉みは茶づくりの原点ともいわれ、今も大切に受け継がれています。

 

静岡県では現在も8つの手揉み流派が継承されており、この体験で学ぶのは、遠州地方に伝わる「小笠流」。茶葉を抱え込むような動作で水分を飛ばす製茶技法です。

 

 

 

指導を担当するのは、やますえ製茶4代目の鈴木三和司さん。家業を継いで約50年、お茶づくりに携わってきました。

 

「もう70歳を過ぎたし、そろそろやめようかと思ったこともあったけれど、あと10年はできるかな。」そう笑う鈴木さんは、参加者の手元を見ながら、やさしく声を掛けていきます。

 

「茶手揉みをすると、その人の性格が分かるんですよ。」そんな一言に会場が笑いに包まれる場面も。初めて顔を合わせた参加者同士も、自然と会話が弾んでいきます。

 

 

茶葉が少しずつ「お茶」へと姿を変えていく

 

体験では、「茶振るい」「回転揉み」「玉解き」「揉切り」「転繰揉み」「こくり」と、実際の製茶工程に沿って茶葉を揉み進めます。

 

蒸した茶葉は、おひたしのようにしっとりとして重く、鮮やかな緑色。それが焙炉の熱を受けながら少しずつ水分を失い、工程を重ねるごとに細く美しい茶葉へと変化していきます。

 

 

変わるのは見た目だけではありません。揉み続けるうちに、お茶の香りがふわりと立ち上り、手に伝わる感触も、少しずつ軽くなっていきます。

 

 

 

焙炉の熱を受けながらの作業は思いのほか体力を使い、気づけば額には汗がにじみます。参加者同士、順番に交代しながら、ときには休憩を挟みつつ、茶葉と向き合います。

 

やがて茶葉同士が擦れ合い、さらさらという軽やかな音が聞こえ始めます。それは、茶葉が仕上がりに近づいている合図。茶匠は、そのわずかな音の変化も手がかりにしながら、茶葉の状態を見極めていきます。

 

 

作業を終えた参加者の両手は、茶葉の色でほんのり緑色に。一杯のお茶ができるまでの時間が、両手に残ります。

 

 

茶葉と向き合い、おいしさを引き出す

 

現在、お茶づくりの多くは機械で行われています。もちろん機械でもおいしいお茶はつくれます。

 

一方、茶手揉みでは、その日の気温や湿度、茶葉のやわらかさ、水分の抜け具合を見極めながら、力加減や手の動きを細かく調整していきます。

 

 

決まった手順をなぞるのではなく、その日の茶葉と向き合い、状態に合わせて仕上げていくことこそ、茶手揉みならではのおもしろさです。

 

 

最後の工程「こくり」は、茶葉の形を整える仕上げです。静岡県茶手揉保存会で「教師補」の資格を持ち、鈴木さんのもとで技術を学ぶブレットさんは、「こくりは精神性のある工程ですね」と話します。

 

 

手を止めず、黙々と茶葉に向き合う時間。参加者からは、「これは、はまっちゃうかも。」「弟子入りしたいな。」そんな声も聞こえてきました。

 

 

休憩時に淹れていただく手揉み茶は、やわらかな甘みと旨みがゆっくりと広がります。

 

お茶を通して、人が集う場所に

 

鈴木さんが大切にしているのは、技術を伝えることだけではありません。地域の子どもたちと茶摘みを楽しんだり、一緒にスイカを食べたり、流しそうめんをしたり。春にはタケノコを塩漬けにしてシナチクづくりを行うこともあるそうです。

 

「まずは楽しむこと。」そんな思いがあるからでしょうか。茶手揉み体験も終始和やかな雰囲気に包まれ、参加者同士が自然と言葉を交わす姿が見られました。

 

茶葉を揉み、お茶を味わう。その時間をきっかけに人が集まり、新しいつながりが生まれていく。そんな空気が、この場所には流れています。

 

 

体験で仕上げた茶葉は、オリジナルパッケージに入れて持ち帰ることができます。旅の思い出としてはもちろん、自分の手で仕上げたお茶を大切な人へ贈るのも、この体験ならではの楽しみです。

 

 

 

一杯のお茶の背景にある手仕事や文化にふれることで、いつものお茶が少し違って見えてくる、お茶どころ浜松ならではの特別な体験です。

 

※体験は「やますえ製茶」が実施し、浜松茶手揉保存会が協力しています。

 

体験内容

 

体験コースの時間は約120分。まずは、茶匠による茶手揉みの歴史や製茶工程についての説明から始まります。遠州地方に伝わる製茶技法「小笠流」や、手揉み茶ならではの特徴について学び、お茶づくりへの理解を深めます。

 

続いて、蒸した茶葉を使った茶手揉み体験へ。工程ごとに準備された茶葉を使いながら、茶葉が少しずつお茶へと仕上がっていく流れを体験します。茶葉の香りや手触り、形、音の変化を感じながら、茶匠の手ほどきで伝統の技術にふれられます。

 

体験の最後には、自分で仕上げた茶葉を持ち帰ることができます。

 

 

ガイド紹介

 

やますえ製茶4代目 鈴木 三和司さん

 

浜松市出身。佐鳴湖畔で製茶業を営みながら、30年以上にわたり茶手揉みの技術を磨いてきた手揉茶匠。全国手揉製茶品評会での入賞経験を持ち、現在は静岡県茶手揉保存会指導委員長、浜松茶手揉保存会会長として後進の育成にも携わっています。穏やかな人柄と丁寧な指導で、茶手揉みの奥深さやお茶づくりの楽しさを伝えています。

 

 

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