EXPERIENCE

Culture

伝統の一滴が、心に響く。 時を超えた「あぶら搾り」体験

創業明治5年。浜松市中央区湖東町にある「村松製油所」は、浜松で唯一のごま油の製油所です。工場内には、ごまの芳ばしい香りと、70年以上稼働し続ける、ねじ式圧搾機の大きな音が鳴り響きます。豊かな自然に囲まれ、近くを流れる伊左地川の水車を動力に油搾りを初めて以来、その歴史と伝統は地域に深く根付いています。そんな昔ながらのあぶらや「村松製油所」で、オリジナルのごま油搾りが体験できる工場見学を開催しています。
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浜松唯一のあぶらや「村松製油所」

 

JR浜松駅から車で約30分。「カネタの胡麻油」の旗を目印に細い路地を進むと、村松製油所に到着です。すぐに築120年の古民家をリノベーションした「古民家キッチン ゑふすたいる」と直売所が目に入ります。

 

 

当時の息遣いまで聞こえてくるような工場内

 

一歩足を踏み入れると、芳ばしいごまの香りが漂う工場。古い木造建屋のどっしりとした梁や柱は創業時から残るもの。150年以上の時を経てきた柱に触れるだけでも、伝統と歴史の尊さを感じられます。

 

戦後、先々代が九州まで足をのばし見つけた搾油機は、今も現役で稼働中。効率や生産性が求められる時代に、脈々と守り続けてきた伝統的な匠の技と、ものづくりへの想いに思わず引き込まれます。

 

そんな激動の時代をくぐり抜けたこの建物と、歴史に思いを馳せずにはいられません。

 

 

歴史をつなぐ、地域に密着した活動

 

創業当初は、この地域を流れる伊左地川の水車の力を利用して、機械を稼働されていた村松製油所。地域の恵みを受けながら歴史を積み重ねてきました。

 

数年前からは地産地消活動も取り組み、地元の高校生の授業の一環として、ごまの種まきから栽培をはじめ、ごま油の製造から販売までを体験するプロジェクトも立ち上げています。

 

地元の高校生たちが、地域の産業にふれる貴重な体験。

 

村松製油所は単なるあぶらの製造所ではなく、地域の歴史や文化を伝える場所だということが垣間見れます。伝統的な味わいは、私たちの食卓を豊かにし、心も満たしてくれそうです。

 

 

良質な地元食材をたっぷり味わう

 

「村松製油所」の創業家の母屋を2021年にリノベーションした日本家屋。地元の食材と「村松製油所」の油を使った料理を楽しめる「古民家キッチン ゑふすたいる」と直売所があります。

 

「古民家キッチン ゑふすたいる」では、地元のブランド食材をメインに、三ケ日牛を使ったローストビーフや、奥浜名湖竜神豚のローストポークが人気メニューです。さらにテイクアウトも可能なので、気軽にご自宅で楽しむこともできます。

 

体験内容

 

工場見学は、村松製油所の歴史やあぶら作りの技術、木造建屋の工場について、わかりやすく説明をうけます。そのあとに、工場見学をし、あぶら搾り体験ができます。所要時間は1時間40分ほど。

 

工場長の大里さんの案内で、村松製油所の歴史や想い、ごま油ができるまでの過程についてお聞きした後、隣接する工場を見学。普段見ることのない、たくさんのごまの量に圧倒されつつ、「ガチャン、ガチャン」という大きな音が迫力満点の、昭和から稼働し続ける年季の入った機械のある工場へ案内されます。

 

村松製油所の歴史や想い、搾油についてしっかり学んでからあぶら搾り体験をするので、あぶらに対する理解がより深まります。

 

 

ガイド紹介

 

株式会社 村松製油所 代表取締役 木下 伸弥さん

もともとは大手自動車会社でサラリーマンとして勤務。ご縁があって2018年から村松製油所を引き継ぐことに。先人の想いや歴史を引き継ぎ、後世に伝えたいという想いで、古民家や蔵の改装を手がけ、直売所とキッチンをオープン。さらに地元の高校生と授業の一環として、ごまの栽培から製造、販売までを行うなど、さまざまなプロジェクトに取り組んでいます。

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